自然・人工科学研究協会の沿革

協会員の一人関野は1980年代後半よりプエルトリコ、アメリカ合衆国フロリダ、カリフォルニア州サンフランシスコ湾岸エリアを拠点として日本古典音楽と他の芸術様式との融合をめざし、多くの実験的 performing art(音楽・舞踊を中心とする)の実践を行ってきた。1990年代に入り、PC の普及から多くのperforming artが深くコンピューター技術に基礎を置くものとなり、1990年後半からの高速internet の一般への普及はperforming artist の国際協力に多大な貢献を及ぼした。

2001年に活動の拠点を日本に移した関野は2004年にArt Space「楽道庵」(神田司町)を設立、自らdirector として多くの実験パフォーミング芸術家達の活動支援を行ってきている。和空間である「楽道庵」におけるperforming art 活動の主な目標は日本古典芸術及び身体と直結したAlternative/実験芸術活動、日本語を母国語としないartistを多く含芸術・創造集団による活動を促進することである。身体・精神の練磨道場としての日常活動を含め楽道庵での芸術・創造活動活動は現在もなお活発に続いている。

更に2006年には、芸術のなかの「日本」要素(外国人とのintensive collaboration という逆説をとおした)をはずし、芸術とhard scienceとの係りをより濃厚にその中心課題とする新しい実験performing art space RVLab(Real Virtuality Laboratory 秋葉原)を立ち上げた。RVLabは単に技術的進歩のperforming art への取り組みという科学技術の芸術への一方輸入ではなく、芸術的実践の場から心理物理や認知心理といったScience/Technologyへのフィードバックを目指すという科学・技術と芸術の有機的共同作業の成就を目的として設立、現在秋葉原のpresentastion Labにて定期的に実験的舞踊・音楽の発表を行っている。

2000年代も終局を告げ、computer と社会、computer と芸術のつながりも一段と密接且成熟したものになってきて、performing arts の世界もcomputer/internet 革命の波を濃厚に受けるに至って、関野はそのScience/Technology 部分をより強化すべきであると考えるに至った。2010年の自然・人工科学研究協会の設立はその路線上にあり、設立メンバーも 第一線の研究開発分野で活躍するprofessionalな科学者・技術者が多いが、こうした協会の趣旨に賛同し、最前線の技術を駆使した作品を具現・創造する表現者、芸術家達も参画している。

現在、協会ではhigh performance computing を想定した科学シミュレーションに基づく実験的芸術表現を積極的に取りこんだ表現手法開発を開始し、科学・技術のフロンティアと対峙する研究・芸術活動プロジェクトに備へている。